結の森Environment
「結の森 プロジェクト」とは
かけがえのない日本の故郷の原風景を未来に引き継いでいきたい。そんな思いから、高知県四万十地域の森林 約3000haを「結(ゆい)の森」と名付け、四万十町森林組合をはじめとした地域の方々と間伐を軸にした森林保安プロジェクトを推進しています。
日本の森林の約4割は、木材として使うために育てられてきた人工林です。それは天然林とは異なり、手入れをしなければ荒廃してしまう森なのです。現在では森の守り手である山村が衰退し、そのために放置され荒廃した森も少なくありません。
今まさに荒廃しつつある森林を適正に管理し、また山村の基幹産業である林業を活性化できなければ、大切な森林は失われていくばかりなのです。
「結の森プロジェクト」がめざすのは、ただ森林を保全することで終わらず、森林を守る地元も活性化する「仕組み」をつくること。「環境と経済の好循環」を実現することにあります。それは、「低炭素化社会」「自然共生社会」「環境型社会」のそれぞれにも貢献する取り組みです。
「結の森」名前の由来
かつて農山村では、田植えなどで地域の人々が互いに助け合って共同作業を行う習慣があり、それを「結(ゆい)」と呼んでいました。
このプロジェクトはコクヨと地元の人々が互いに助け合ってはじまて実現されるもの。
「結の森」という名前には、そんな思いが込められています。
「結の森」活動がCO2吸収証書 授与
2023年7月、高知県より「結の森」によるCO2の森林吸収量を高知県が認定する「CO2吸収証書」が授与されました。
これにより、2022年度に皆様から寄付していただいたポイントは、「結の森」20.7ha(東京ドーム約4.4個分の面積に相当)の間伐事業に活用され、635tのCO2吸収量が算出される結果となりました。
「結の森 プロジェクト」豆知識
人工林の管理を支える「間伐」
人工林を適正に管理する大切な仕事のひとつが、間伐です。間伐とは、競合する木を選別して伐採し、木々の間に適度な広さを確保する仕事のことです。適正に間伐された森は、樹間から光が差し込み、背の低い広葉樹や草、コケなどを育みます。さらに虫や動物がそこに来ることで、森はその健やかさを保つのです。間伐は、やがて収穫する木材の品質を向上するために行われる作業です。それは同時に、人工林の生物多様性を自然のバランスに近づけていくことでもあります。
手入れが遅れた人工林では、樹冠の閉鎖で日光がさえぎられ、地面に十分な光が届かなくなります。これでは下草が育たず、腐葉土などもできません。木も栄養が行き渡らず、やせ細ってしまいます。また下草には雨などの衝撃をやわらげ、土に浸透させる役割もあります。下草がないと、地表の柔らかい土が雨に流され、木の根や固い土がむき出しになっていきます。森は水を蓄えられなくなり、雨や流水が急流となって流れ出します。急流は土砂を川に流し込み、水質を悪化させ、ついには川の生態系も破壊すると言われています。
間伐は、やがて収穫する木材の品質を向上するとともに、森林の豊かさを保つために必要な仕事。「結の森」では間伐の効果を検証するため、高知県立四万十高校の皆さん、筑波大学大学院の皆さんと協力して定期的なモニタリング調査を行っています。筑波大学大学院の皆さんとは、流量調査の結果をもとに「土壌の浸食・地表流の発生と間伐の関係」について分析をすすめています。また四万十高校との活動では、多くの生徒さんにご協力をいただきながら森林内の植生調査、四万十川の清流調査などを行っています。モニタリング調査には毎年、カウネット社員も参加します。環境の変化を実際に目にすることで結の森プロジェクトの活動を検証しているのです。
これらの調査はFSC認証を継続する上で毎年実施することが義務付けられており、年次監査の際には調査結果が報告されます。
四万十ヒノキの魅力
四季の変化がはっきりしている季候が関係しているのか、四万十のヒノキはやや赤みを帯びたピンク色の木肌をしているといわれています。さらに、ヒノキ特有のさわやかな香りや、やわらかな肌触りが特徴です。
「結の森」シリーズでは、あえて塗装を施さない(オフィス家具・時計は除く)ことで、天然のヒノキの香りをそのままにお届け。森の中にいるような心地よい芳香をご体感ください。
ピンク色の美しい木肌と優れた耐久性を持つ四万十ヒノキは、使い込むほどに手になじみ、時とともに味を増し変化する美しい木目をお楽しみいただけます。
厚さ2-3cmの板を切ったりつないだりすることで、新たにつなぎ合わせてつくったもの。節が多い部分や曲がったものなど、一般の工程では捨てられ無駄になってしまう部分を効率よく使うことができるため、環境に配慮した素材といえます。